●パーツの集合体でからだをみる西洋医学
私まにが普段受診することが多いのは、
近代に発達した西洋医学による診察と治療です。
では、西洋医学の東洋医学の治療は、なにが違っているのでしょうか?
2つの医学は、人のからだをどのようにとらえるかが大きく異なります。
西洋医学では、人体をパーツ(さまざまな器官)の集合体としてみます。
東洋医学では人体全体を1つのものであると考えます。
これが治療方針の違いとなります。
単純にいえば、西洋医学では、
病気の原因になっているパーツをみつけ、そのパーツを正常に戻せば、
病気は治療できたことになります。
西洋医学ではさまざまな検査を行います。
検査から導き出されたデータや画像を検討し、
平均的なものよりどのくらいずれているかで、そのパーツが正常か異常か判断します。
ですから症状があっても、データとして明確な異常が表れないと、
治療の方法が決めにくくなります。
●心身全体を1つのものとしてみる東洋医学
東洋医学でも、人間のからだから臓腑や経絡などに分けて考えます。
しかし、これらすべては連続していて、人体は1つのものであるとします。
東洋医学でいう病気とは、からだのある部分の調子が悪くなって、
からだ全体に影響がおよび、別の部分に症状が現れてきたものです。
ですからパーツではかく、からだ全体の調子を整えるのです。
全体がよくなれば、ある部分の症状も消えるというわけです。
なお、からだ全体の調子ときうときには、肉体だけでなく、
心の状態も入っているのが特徴でしょう。
このような特徴のある東洋医学では、
いちばん気になっている症状を治療したら、
そのほかのちょっとしたトラブルも解決し、
心身ともに健康になることもめずらしくありません。
しかし、だからと言って東洋医学だけを頼ればいいというわけではありません。
病気や症状によって、西洋医学と東洋医学、それぞれ得意な治療方法があります。
現在は西洋医学と東洋医学の両方の側面から治療する病院も増えてきています。
中国でも多くの人は、西洋医学と中医学を併用しているように、
治療方法をどちらかに限定せず、両方のよいところを使って、
より健康で、元気な毎日をおくりましょう!!
補足
○東洋医学が得意な分野
肩こり、めまいなど、漠然とした不調。
原因が特定しにくい不調
○西洋医学が得意な分野
ホルモンの不調による病気
細菌などによる感染症
手術が必要な病気やけが